추억의 영화
젊은이의 양지(陽のあたる場所, A place in the Sun)
↑ 「젊은이의 양지(陽のあたる場所, A place in the Sun)」(1951)
陽のあたる場所 1951・美 |
A place in the Sun by George Stevens (1951) |
(ジョージ・スティーブンス) (モンゴメリー・クリフト) (エリザベス・テーラー) (シェリー・ウィンタース) |
物語 貧しい家庭に育ったジョージ・イーストマン(モンゴメリー・クリフト)は、叔父が経営する水着メーカー、イーストマン社で職を得るため叔父の邸宅を訪れた。 叔父が招いてくれたのだが、その時、叔父の家で出会った富豪の令嬢、アンジェラ・ヴィッカース(エリザベス・テーラー)に心を奪われた。 ジョージはイーストマン社で働き始めた。同じ職場のアリス(シェリー・ウィンタース)とお互いが好意を感じていた。 ある日、映画館でジョージとアリスがたまたま隣の席だったのが、二人の関係の始まりだった。二人は隠れてデイトを重ねた。イーストマン社は従業員の9割が女性で社内恋愛は御法度なのだ。 「君は水着を着るのかい」 「私・・・泳げないのよ」 ジョージの誕生日の日、アリスとの約束があったのだが、社長のパーティーと重なってしまった。ジョージはそこでアンジェラと再会した。ダンスを踊るジョージとアンジェラ。 ジョージがアリスのアパートへ行くとアリスが沈みきった顔で待っていた。 「ごめんよ、パーティーを抜けられなかったんだ」 アンジェラがジョージをデイトに誘い、ジョージは応じた。社交界のパーティへ行きダンスを踊る二人だが、ジョージは何か浮かない顔つきだ。 「何だか変よ、心ここにあらずって感じで」 アンジェラは気になった。 ジョージは告白した。「愛してる、初めて会ったその日から」 アンジェラも答えた。「愛してる、怖いくらいに」 「僕は世界一幸せだ」 「私の次にね」 二人の恋が燃え上がった。 ジョージはアリスの妊娠を知った。まずい、イーストマン社で、社内恋愛は許されないのだ。まして、叔父でもあるイーストマン社の社長に目をかけられている身としては・・・。 アンジェラに湖に誘われた。「両親に貴方を紹介する絶好のチャンスよ」 ジョージは応じた。ここ、“アビの湖”では、去年の夏、二人連れの男女がボートで転覆し、溺死する事故があったという。 アリスは新聞の紙面にボートで遊興するアンジェラとジョージの写真を見て理性を失った。 夜の晩餐の時、ジョージに電話が掛かって来た。『もう、騙されないわ、すぐに帰ってきて、さもないと、貴方とのこと、イーストマン社に全てを話すわ・・・』 アリスだった。ジョージは動転した。母親が病気らしいと嘘をつき、アリスの待つバス停留所へ急いだ。 「明日、結婚して!でなきゃ、全部ぶちまけて死んでやるわ!」 翌日、結婚の手続きをしようと裁判所へ行くと、休日で休みだ。ジョージは仕方なくアリスを湖へ誘った。ボートを借り、沖へ漕いで行く。アリスは将来の夢を話した。ジョージは何か考え事をしている。・・・この女が死ねば全てがうまくいく・・・。アンジェラとの恋もかなう。 「私の夢は、貴方の愛が戻ること。知らない町で二人で努力していい家庭を作るのよ」 「やめろ!」ジョージはたまらず叫ぶ。アリスはジョージの顔色を見た。 「・・・私が死ねばいいと思ってるのね!」 アリスが立ち上がったその時、ボートが大きく揺れた。「あっ」 ボートが一瞬のうちに転覆し、二人は湖に投げ出された。 ジョージは一人、湖を脱出した。アリスは泳げないのだ。多分溺れて死んでしまったに違いない。それはまさに自分の望むところだったのではないか・・・。 ジョージは何食わぬ顔でアンジェラのもとへ帰った。 ジョージはアンジェラの父親(シェパード・ストラドウィック)と面会し、アンジェラとの結婚の承諾を得た。だが、父親は言うのだった。「事を急いではならん」 父親は、どことなく暗い影のあるジョージが気にかかっていたのだ。 アリスの溺死体が上がった。マーロウ地方検事(レイモンド・バー)が捜査を開始した。 貸しボートの管理人、アリスのアパートの家主に聞き込みをした結果、ジョージ・イーストマンの名前が浮かび上がるのに時間はかからなかった。 ジョージとアンジェラがドライブから帰り、分かれた時、警官のバイクの音がした。ジョージは林の中へ逃げたが捜索隊に間も無く逮捕される。 アンジェラはジョージが殺人罪で逮捕されたと知り、卒倒して倒れた。 ジョージの裁判が始まる。アリスの死は事故か殺人かが争点だった。 「何故、ボートに誘ったんです?」 「心の底に殺意があったからです。でも、それを僕は必死に打ち消そうとした。あれは事故だった」 検事側、弁護側とのやりとりが続けられた。マーロウ地方検事は実物のボートを法廷に運ばせた。そこへジョージを事件の夜と同じように座らせ、叫ぶ。 「アリスの頭部には傷があった。これで彼女を殴ったんだ!」マーロウはオールを振り下ろして叩き割った。 陪審員の評決が出た。「第一級殺人罪と認めます」 死刑囚となったジョージに母親が面会した。「殺していないのに何故なんだ」ジョージは訴える。 布教活動をしている母親は言う。「神は全てをお見通しよ」 アンジェラが面会に来た。最後の抱擁だった。「私たち、さよならを言うために出合ったのね」 アンジェラにはもはや涙はない。 電気椅子の刑場に向かうジョージの脳裏に去来するものは、アンジェラとのつかの間の甘美な日々であった。 |
映画館主から
@ @ 2012/10/01 12:00
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